FinePix F10:マクロモード時の露出制御には要注意
※ F10のマクロモードがおかしい?という事ではありません。仕様を理解して頂く為のコンテンツです(^^;)
※ 何れも、ストロボが発光された状況(作例はスローシンクロモード)
マクロモード:OFF時 |
マクロモード:ON時 |
| ISO感度:Auto(800に自動設定) |
ISO感度:Auto(200に自動設定) |
| 絞り値 :F3.4 |
絞り値 :F8.0 |
| シャッター速度 :1/40 秒 |
シャッター速度 :1/15 秒 |
左の画像を見比べてください。どちらも同じ条件で
撮影されていますが、ユーザー側の設定で異なっている
のは、マクロモード が ON か OFF の違いだけです。
絞りとシャッター速度はプログラムAE、ISO感度設定は
Autoの状態です。
画像の明るさが違う原因は、カメラの「ISO 感度AUTO」と
「プログラムAE」の機能により、自動選択された感度値と
絞り値の2つが、マクロモードのON−OFFに伴なって、
異なってしまうからです(カメラがそのように制御します)。
もう一つ注意する点は、この状況が起きる条件は、スト
ロボが発光している時であるという事です。
状況把握
マクロOFF 時は、一般的な撮影を想定しているので、撮影距離が適度に確保されている事が
予想されます。ですから、被写界深度(=ピントが合って見える範囲)の確保のために極端に絞り
込む必要がないので、露出制御は、背景の明るさをしっかり捉えられ、ブレが生じないように、
十分なシャッター速度が確保できるような範囲の制御を、行なえば良いわけです。
具体的には、ストロボを使うようなやや暗めの状況では、被写体の明るさに合わせて、絞りを開き、
感度を上げ、ブレが生じない範囲で背景の明るさが確保できる、適度なシャッター速度が選ばれ
ます。上の作例での選択値でも、そのように制御されている事が読み取れます。
一方、マクロON 時の制御はどうでしょうか?
マクロモードがONになっているということは、撮影者が至近距離での撮影を目論んでいる可能性が
高くなります。至近距離での撮影では、被写界深度が非常に浅くなります。下手をするとどこにも
ピントが合っていないような写真に見える事さえあります(被写体の形状とピント位置によります)。
それを防ぐには、絞りを絞り込む事で解決できます。ですが、絞りを絞り込むと撮像が暗くなるので、
その分を何かでカバーしなければいけません。
マクロだからと言って、真っ黒で良いわけでは有馬温泉 (^^;ベタベタや〜)。
撮像が暗くなる事の対応策には、シャッター速度を遅くする事と、感度を上げる方法が有効です。
上の作例でもそのように・・・ん?・・・チョッとおかしいゾ〜(*_*)。
原 因
上の作例は、ストロボモードがスローシシンクロで撮影されているので、マクロON時のシャッター
速度は1/15秒で下げ止まりの制限を受けています。(この制約の話は、また別の機会に・・・(^^ゞ)
それでも、マクロOFF時の1/40秒よりは遅くなっているので、この点は予定どおりの動きと思えます。
絞りもしっかりF8まで絞り込まれて、被写界深度の確保に備えています(←実はこれも少し疑わしい)
なのに!!、どういうことか、感度がISO200に下げられてしまっています。ただでさえ絞り込まれて
暗くなるというのに、これはどういう事でしょう? 実は、これには、ストロボを使用している
事が絡んで来ます。
どうやら、ストロボの発光量制御の最小値(最小発光)に引っ掛かってしまうために、感度を(絞りも?)
抑えているようです。つまり、ストロボの発光量を抑える制御には限度があるため、感度が高いままだと
至近距離の撮影時に発光量が多すぎて簡単に露光オーバーを起こしてしまいます。それを回避するための手段
として、あえて感度を落としているようです。
上の作例でマクロON時に暗くなってしまったのは、絞りが絞り込まれた事と、ストロボ発光に
備えて感度が下げられた事に対して、シャッター速度が下げ止まってしまった事が原因です。
必要なシャッター速度の確保(遅くする)ができなかったため、定常光(照明)の光を拾いきれずに
背景が暗くなってしまった訳です。
ストロボ光がしっかり当たっているハズの被写体までもが少し暗くなっているのは、ストロボ光の割合が
多い時の露出傾向だとおもいます。この子の毛の色の濃さは、マクロON時の方が近い感じがします。
マクロON時の露出傾向は被写体部分だけに目を向けると、ストロボの照り返しが少なく、大変ナチュラル
な雰囲気の光線に見えます。ただし、全体的な雰囲気では、やはりマクロOFFの方が背景の明るさにおいて
目視に近いので、印象どうりの仕上がりと言えます。
備 考
ちなみに、ストロボを発光禁止にしておくと、マクロON-OFFに関わらず、
同じ設定(感度、絞り、シャッター速度 )が選択されるようです。かなり明るい状況でも
ストロボ発光禁止では、マクロONにしても絞らないので、被写界深度の確保のために絞って
いるのでは無いようです。単に、ストロボ光の近距離対策だけなのかも知れません。
また、ストロボ発光をAUTOに設定しておくと、被写体の明るさによっては、マクロOFFでは
発光せず、マクロONでは発光するという状況が、かなり明るい状況でもありました。
要 約
ベテランの人が読むには、判りきった事をダラダラ書きすぎましたので、要約しておきます(^^ゞ)。
マクロモードを使用するときは、ストロボが発光するか(させるか)が重要な注意点になります。
マクロモードで安定した露出を得るなら、発光の有無や感度設定を撮影者の手でするのが賢明です。
ストロボ発光がAutoで、マクロモードがONの時は、かなり明るい状況でも自動発光するときがあります。
マクロモードは、撮影距離と撮影対象に応じて、こまめにON-OFFするのが良さそうです。
撮影対象全体が平面的で奥行きが深く無い時、マクロモードでのストロボ撮影が生かせます。
マクロモードでのストロボ撮影は、近寄りすぎは禁物です。被写体から背景が遠いのも良くないです。
※ ↑ 使いこなしで、カバーできる事がわかりました。(^^ゞ)
※ いろいろ追試をしてみると、ストロボ発光時は、部屋の明るさ、感度設定、撮影距離 によっては、
マクロモードを活用した方が良い場合がある事が解りました。部屋の照明の強さにもよりますが、室内で
感度Autoでスローシンクロ撮影をすると、大抵ISO800で、開放絞りが選択され、やや露出オーバー気味に
なる事が多いですが、マクロモードをONにすると、絞りがF8まで絞り込まれるので、程よい露出に
ハマル事も結構あります。(撮影距離に応じて感度をマニュアル設定する必要性がありますが・・・)
あとがき
F10のマクロモードは、マクロの使用状態を想定してこういう仕様になっていると思いました。
ですから、安易に最短撮影距離の短縮だけでマクロモードをONにすると、理解不足のために
失敗する事があります。晴天下の日中シンクロなら、また少し状況が違うかも知れません。
※ 原因の記述には、推論がほとんどを占めています。実際の仕様を調べ上げた物ではありません。
(それほど、外してはいないと思いますが・・・(^^ゞ)
※ 実状の現象(状況)を述べた物とお考えください。m( _ _ )m